『Kは三振のことだと思うけど、指標としてはどうやって見ればいいのかな』
最近、野球のネットニュースでも目にする機会が増えたK/BBとはいったい何でしょうか。
本場アメリカではセイバーメトリクス(野球を統計的にとらえる分析手法)が定着していますが、その中の一つにK/BBがあります。
ここでは、K/BBの意味、計算方法、評価基準と目安を解説します。
K/BBの意味と計算方法
K/BBとは
K/BBは、投手の能力を評価する手法の1つです。打者の能力を評価するには、勝利数や奪三振数、防御率などがありますが、K/BBを用いることで投手の制球力を評価することが出来ます。
K/BBは、日本語ではそのままケービービーと呼ぶことが多く、Kは奪三振の意味、BBは四球(Base on Balls)を意味します。
アメリカでは、Strike out to walk ratioと呼び、直訳すれば”三振と四球の比”になります。
K/BBの計算方法
K/BBは、元となった英語そのまま、奪三振数を与四球数で割って求められます。分子に奪三振数が、分母に与四球数が来ますので、奪三振数が多いほど、そして与四球が救いほどK/BBの値は大きくなります。
言い換えれば、「四球1つあたりの奪三振数」です。
K/BBの持つ意味
奪三振数と与四球数の比で表されるK/BBは、高ければ高いほど奪三振数が多く、与四球が少ないということを意味します。
投手にあてはめれば、制球力を評価する指標になります。
勝利数や防御率は、球場の広さや風の有無、味方の守備などによって左右されるため、純粋にそれだけでは投手の能力を推しはかることが出来ません。
一方、K/BBでは奪三振数と与四球数から計算されますので、純粋に投手の能力、特に制球力を評価できるというわけです。
K/BBの評価基準
一般には、K/BBは3.5を超えると良い投手、5.0を超えると素晴らしい投手と評価されます。
2022年8月28日段階では、5.0を超える投手はいませんが、下記の投手がトップ3です。
- 田中将大(楽):4.87
- 山本由伸(オ):4.79
- 青柳晃洋(阪):4.52
必ずしも勝利数と直結する指標ではありませんが、皆制球力に優れた投手であることがわかります。
K/BBの欠点
計算式からも判りますが、
- 与四球が少ないと極端な数値になる
- 奪三振数が少ない投手、つまり打たせて取る投手は指標が高くならない
という問題があります。
とはいえ、奪三振は投手の見せ場です。
単なる奪三振数だけでなく、与四球との比較を行うことでより投手の制球力がより如実に数値に反映されるので、野球ニュースやデータを見るときはぜひともK/BBにも注目してくださいね。